れとろげ。

ファンタジー風創作小説『ようこそ麒麟亭へ』

2008年07月08日

僧侶のくせにいまいちだ

 『世界樹の迷宮』のプチヒット以降、Wizardryライクの3Dダンジョンゲームが復権しつつあるようだが、
その中でもひときわ小ロットでひっそりと発売されたのが
『幻霧ノ塔ト剣ノ掟』というゲーム。

 パロディと独特のテキストセンスといい、気を抜けば宝箱の罠でも一撃死するバランスといい、
ある意味では最も元祖Wizの雰囲気を再現している作品かもしれない。

 ただ、意図しているのか手抜きなのか、操作性やユーザーインタフェースまでまるで初期のファミコンレベルなのが困りモノなのだが。
 LボタンRボタンでの横歩きなどもちろんないし、メニュー画面でのキャラ切り替えもない。
アイテムはズラズラっとスクロールしていかなければ全部見られない上に、□ボタン一発で確認なしに捨てられてしまう。
(しかもWizおなじみの“ごみ箱”はなぜか存在しないため、間違って押してしまうと永久にサヨナラ

 タッチペンの存在などは、もう清々しいほどに完全無視だ。
 このあたりは、何でもかんでもとりあえずタッチペンを使ったミニゲームやWi-Fi通信要素を入れようとする最近のDSゲームにも少し見習ってほしいものだが。


 さて、この『幻霧ノ塔ト剣ノ掟』(通称ノトノ)について書かれたどこかのレビューで、
「昔のWizでは僧侶はチェインメイルとか着て前衛に立つのが当たり前だったのに、
なぜ日本のRPGでは後衛で打たれ弱いというイメージになってしまったのか」
という、興味深い考察をしていた。

 そこでの結論は、
「日本のRPGでは、華奢なヒロインが回復役を担当することが多いからじゃないか」というものだったが、
これも確かに一理あるものの、それだけではないと思う。
 国産RPGで僧侶が後衛職になってしまったのは、もう少し昔にまでさかのぼれるからである。

DQ3僧侶
あくましんかん






原因1) 根本的なイメージの違い

 神殿騎士や十字軍などのように、西洋の歴史では聖職者が武器を取って戦うことは珍しいことではなかった。
 それに対して日本のお坊さんや神主さんなどは、(自衛のために僧兵というものが生まれたりはするけれど)基本的に軽装な非戦闘員のイメージが強い。


原因2) パーティー人数の変化

 Wizardryは6人パーティーであり、最もスタンダードなパーティー構成は

  戦士・戦士・僧侶・盗賊(宝箱開け係)・魔術師・司祭(鑑定係)

というもの。
 ところが、ファイナルファンタジーなど初期の国産RPGでは、宝箱の罠解除と鑑定という要素が削られたため
4人パーティーが基本となってしまった。

 前衛・前衛・後衛・後衛

というフォーメーションである。このため、前から3番目が定位置である僧侶は後列に追いやられることになったのだ。


原因3) 勇者という存在


 ドラゴンクエスト3で確立されたこの存在は、今では影響を受けていることすら認識されないほど、静かに深く日本のRPG界に根ざしている。
 つまり、ストーリー上の主人公ひとりをパーティーのメインに据え、そのまわりに脇役である仲間を配置すると言う手法である。
 判官びいきという言葉もあるが、これは陽のあたらない脇役にも萌えるという日本人の性質があってこそ広く受け入れらたのかもしれない。

 かつてのWizardryでは、努力すれば基本的にどのキャラでも上級職になることが出来た。
 しかし勇者と他のキャラとでは生まれながらにして格差があり、
武器攻撃も出来て、回復呪文も攻撃呪文もそこそこ使いこなす勇者は特別な存在である。
 ドラクエ3ではまだ賢者に転職するなどの道は残されていたが、
それ以降のRPGでは、主人公(勇者)との差別化を図るため、僧侶はますますパーティーの救急箱的存在に特化していくのであった。



 こうしてみると、初期のパーティー制RPGの「誰をどの役割にすることもできる」というシステムを、出来る限り忠実に守り続けているのは、意外にもFFシリーズであることがわかる。

 僧侶の立場からすれば、「ストーリーの都合のためにキャラの自由度を殺してるのはドラクエのほうだ!」とでも言いたくなるかもしれない。




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Posted by 白川嘘一郎 at 15:51│Comments(0)ゲーム
 
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