れとろげ。

ファンタジー風創作小説『ようこそ麒麟亭へ』

2009年03月13日

GET!ボクのムシつかまえて [1]

※数十時間かけてプレイしたゲームの内容を
3,4ページ分のテキストにまとめ、
それをさらに2Pに削るという、
エコや不況が叫ばれるこのご時世において
とてつもなく非生産的な行為の残滓を
多少なりとも昇華させようというコーナーです。



バカデス第3回:
 GET!ボクのムシつかまえて







今や電車内でニンテンドーDSを見かけることは珍しくないが、
GBAスロットにソフトを挿している人は見たことない。

旧世代のゲームハードと同じく、最近の都会の子供たちは昆虫に触れる機会などそうそうないのではないかと思うが、
この『GET! ボクのムシつかまえて』は、
大人の視点から理想の子供世界を描くのではなく、
子供の目線で大人社会のシビアな現実を描いているのが特徴だ。


道に落ちていたガムを踏んづけただけで「お前には運がない」と通りすがりの小学生相手に本気で罵倒してきたりするのはまだマシな方で、
中には話しかけただけで理由も無く殴られて体力を減らされるポン引きや工事現場の作業員なんかも。

こう書くと、いつもの単なるバカゲー的要素のようにも思えるが、
だがしかし、大人たちによってこのような理不尽な目に遭わされた体験は、
誰しも幼い頃の記憶の中に一つや二つはあるのではないだろうか。
そう、大人の世界は必ずしも子供に優しいばかりではないのだ。

子供が主人公のゲームでは、たいてい癒しの場として主人公を暖かく見守ってくれる存在であるはずの母親ですら、
このゲームの場合は「宿題をやれ」と言うばかりで体力の回復もしてくれず、
途中で野良犬を仲間にしてからは、「そんな汚い犬は早く捨てて来い」とエンディングまでネチネチと責められ続ける。

いちおう序盤ではかろうじて、荷物を預かってくれるという役割があるのだが、
後半からはその役割もキレて犬に丸投げしてしまう。
(犬に背負わせたリュックが倉庫のかわりに、とか書かないと意味がわからないと思いますが、本当に突然キレるんだもんこの母さん)


そのかわりに体力回復の拠点となるのは、
レストランやフードショップでの買い食いか、病院である。
虫取りで体力が0になったら自宅より先に病院に駆け込む小学生というのも
相当に歪みきった社会の構図であるが、
またこの病院をスタッフがやたらノリノリで製作しているのが伝わってきて、
彼らの肉体と精神の健康状態を心配せずにはおれない。

病院内の階ごとにある自動販売機、廊下にはシーツの積まれたリネン車、
相部屋と金持ち用の個室の差などもしっかり再現され、
薬品棚や医療機器を調べたときのメッセージもやけに専門的で、
入院患者たちのセリフも妙に生々しかったりする。

それこそ病的なほどのこの執着ぶり。
その労力の半分でいいから肝心の虫のグラフィックや解説に向けろと言いたい。



実は自宅内でも体力を回復させる方法があることはあるのだが、
それについてはまた続きで。


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この記事へのコメント
ゲーサイ買ってきたので真っ先に読んでみました。
今回の「ぼくむし」はこれまでノーチェックだったのでなかなか面白かったです。
まだまだバカゲーは奥が深いねぇ。
個人的には母親が非協力的だったり、無駄に設定凝ってたり、ADV要素が強いとこは、バップがファミコンで出した「究極の世紀末ロープレTAO」を思い出しました。

本誌掲載でも4Pは読みたいですね。いつかまた昔のようにバカゲー特集とか単行本とかをやって欲しいなと思います。
Posted by テンショ at 2009年03月16日 03:14
実は今回も、事情により途中で作品の変更がありました。
ページ数は本当は4Pぐらい取れるんですが、実際にプレイしてみないとどの程度のネタが採れるかなかなか事前に予測しきれない側面があるので。
次回はたぶん4Pです。

単行本は、この世界不況の影響が一段落して、原稿もそこそこ溜まった頃に……とか勝手に考えてます。
書き下ろしで何をやるかとかも構想の中では決まってたり。
あとは編集部に要望出してください(笑)
Posted by 白川嘘一郎白川嘘一郎 at 2009年03月16日 10:49
 
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