れとろげ。

ファンタジー風創作小説『ようこそ麒麟亭へ』

2009年02月01日

本当はヤバくない日本ゲーム業界(中)

前回:本当はヤバくない日本ゲーム業界(上)



  「お~い、ヘタレ公爵。
    早く続き書いてよ。『シェンムー』じゃないんだからね!
    そう言えばシェンムーってGTAとかオブリビなんたらとかとかの
    いわゆるフリーローミングの先駆けだよね!」




「だって、吾郎ちゃんの仮面ライダーとか森くんの扱いとか気になるだろ」



  「SMAPとかとか、事務所が力入れずにバラエティやアニメに回されて体を張ったグループが結局ブレイクする先見性のなさとか、ゲーム業界に通じるものもあるけどね」



「ごめん、やっぱりそっちの方面はここでは深く突っ込みたくないのでゲームの話をします」


 「わかればいいんだ。

    前回の話を聞いて疑問だったんだけど、
    そもそもゲーム業界って、いや日本って本当に不況なの?」




「うーん、私に言わせりゃ、
ひたすら政治を叩いてネガティブな情報だけを煽り立て自ら消費を冷え込ませるマスコミと、
それを口実に使い税金逃れと人件費抑制に走る大企業が作り出した不景気ブームでしかないと思うけどね。
 外国と比べても、そこまで悪くなる要因が何もないんだもの。
 
 本来消費活動が最も活発なはずの20~40代にちゃんと金が回るようにすれば
景気も晩婚少子化も派遣もネカフェ難民も、
日々のニュースをにぎわす問題の9割は解決するはずなんだけど、
なぜそうしようとしないのか、私のような小物にはとうてい推し量れませんな」



《参考:日本マスコミの論調テンプレ》
円高⇒ 輸出企業壊滅で、日本経済はおしまいです。
円安⇒ ドル建てGDP減少で、日本経済はおしまいです。
株価下落⇒ 日本経済はおしまいです。
株価上昇⇒ バブルの上、世界各国の上昇率に比べると、下落しているのも同じです。
         日本経済はおしまいです。

GDP上昇⇒ 実感なき経済成長に過ぎません。日本経済はおしまいです。
GDP減少⇒ 日本経済はおしまいです。
世界経済縮小⇒ 外需依存の日本経済はおしまいです。
世界経済拡大⇒ 日本の存在感がなくなり、日本経済はおしまいです。

物価下落⇒ デフレで日本経済はおしまいです。
物価上昇⇒ インフレで日本経済はおしまいです。

日本が米国債を増やした⇒ 日本はアメリカの飼い犬で、日本経済はおしまいです。
日本が米国債を減らした(現実はこっち)⇒ アメリカへの影響力が薄れ、日本経済はおしまいです。

中国株価下落⇒ 調整です。日本経済はおしまいです。
中国株価六割下落⇒ 調整です。日本経済はおしまいです。
中国不動産バブル崩壊⇒ 不動産価格が正常化しています。日本経済はおしまいです。
中国貿易黒字激減⇒ 中国が内需を拡大しています。日本経済はおしまいです。

中国人民元上昇⇒ 中国が存在感を高め、日本経済はおしまいです。
中国人民元下落⇒ 中国輸出企業が興隆し、日本経済はおしまいです。

中国が米国債を増やした⇒ 貿易黒字がとどまるところを知りません。
                  輸出大国と言われた日本経済に明日はありません。
中国が米国債を減らした⇒ ドルへの依存度を減らし、自立経済を模索しています。
                  日本経済に明日はありません。




 本来、ゲームなどの娯楽産業って意外と不景気の影響を受けないものなんだよ。
 原価の大半が人件費で、原材料高騰で困ることもないし、
旅行や新車とかの大きな出費が控えられたぶん、そういう身近なレジャーに回ってきたりもするしね。
 月に数千円のゲームソフトも買えないとか、そこまで行ったらそれは不況じゃなくて恐慌と言う



 「じゃ、なんで売れないの?」



「1つはやっぱり、携帯電話とインターネットの普及だろうねぇ。
 これは時間とお金をマトモにTVゲームと喰い合っちゃうから。
 しかも、もはや現代人の生活の一部として、削れるものでもない。

 これはもう、世の中に出た瞬間に、他の業界がダメージを受けるのは仕方ない。
 島耕作じゃないんだから、何をやっても解決できないことはあるんだ」


 「ふーん。でも不況でもないし業界的にも問題ないんだったら
    バンバン作って売っちゃえばどれかは当たるんじゃないの?」




「それができれば話は早いんだけど、
ゲームの開発費を最初からポンと用意できるような会社はないので、
 (任天堂ぐらいは出来るかもしれんけど)
株主投資家や銀行や投資会社からお金を引っ張ってくるわけだ。

 そこからさらに下請けメーカーに回したりとか色々あるけど
ゲームクリエイターの仕事の半分は、こういうエライ人をいかに騙してカネを出させるかに尽きる。
 
 ところが、日本人というのは、ただでさえゲームなど形のないものに対する投資を好まないところに
ここまで挙げたマイナスの要因が重なって、開発現場になかなか金が降りてこなくなってしまった。

 クリエイターの言い分からすれば、
『100%儲かるエンターテイメントビジネスなんてあるわけないだろ』なんけど
経営側としちゃあそうもいかないし」


 「売れなきゃ詐欺と紙一重だもんねっ!」



「そんな状況下で、ゲームの新企画を通すために必要なキーワードは
“巷で大人気の○○みたいなゲーム”。

 売れるかどうかわからない斬新なゲームなんてまず通らない。

 技術や体力で劣る中小メーカーが、
大手と似たような作品を後追いで作れと言われるんだ。
 成功するわけねぇだろ


 「昔と比べてゲーム業界がつまらなくなった、とか言われるよね。
    まぁ、『近頃の若い者は……』みたいなものでいつの時代も言われることだけど」

 


「しかしまぁ、他人のせいにばかりしていても仕方ないので
 中小のメーカー自身に問題がなかったのかどうかを見ていこう。

 ここ数年で登場した新ハードだが、それを生かせるソフトを作れるのはまず大手だ。
 開発機材やライブラリも事前に優先して貰えるしな。

 中小のサードパーティーがそこに割り込むためには、
本来ならじっとガマンして腰を据えて研究開発を続けるか、
独創的な新しいアイデアで勝負するかの二択しかない……はずだった」



 「でも新しいアイデアは受け入れられにくいって、さっき言ってたよね。
    じゃあガマンする道を選んだの?」




「いや、そこに幸か不幸か、低予算で作ったライトなゲームでもそこそこ売れるDSバブルが来ちゃって、
目先の収入のために皆こぞってそっちに飛びついちゃったんだよね。

 もちろんそれは悪いことばかりじゃない。
 おかげで不振不振と言われるわりに潰れたり撤退したメーカーはずいぶん少なかったはずだよ。

 ただ、そこで充分な基礎を築けなかった反動が来たのがこの2年ほどではないかと私は思っている」


 「スラムダンクの三井みたいだね!」


「そう、ミッチーの3Pシュートのセンスが失われたわけではなかったように、
中小メーカーは決して死んではいない。

 2008年後半あたりから、遅れを取り戻し、じっくり作られた骨太の作品が
ようやく中小メーカーからも出始めるという流れが来たように感じられる。
 今年はそれがさらに活性化するのではないかと、己の願望も込めて思いたい」


 「俺たちの戦いはこれからだ! だね!」



「それは終了フラグだからやめて。

 さて次回は、具体的にこの状況を打開する具体策を考えていこう。
 名づけて、《天・地・人》3つの秘策!
 

 「あざとい引きだねっ!」






つづく



同じカテゴリー(本当はヤバくない日本ゲーム業界)の記事画像
ちょっとヤバくなってきた? 日本ゲーム業界
ゲーマーたちへの愛と業(後編)
ゲーマーたちへの愛と業(前編)
番外:日本が抱える借金?
本当はヤバくない日本ゲーム業界(下の2)
本当はヤバくない日本ゲーム業界(下の1)
同じカテゴリー(本当はヤバくない日本ゲーム業界)の記事
 ちょっとヤバくなってきた? 日本ゲーム業界 (2009-10-16 22:52)
 ゲーマーたちへの愛と業(後編) (2009-06-25 18:33)
 ゲーマーたちへの愛と業(前編) (2009-06-22 17:58)
 番外:日本が抱える借金? (2009-02-13 16:15)
 本当はヤバくない日本ゲーム業界(下の2) (2009-02-04 19:07)
 本当はヤバくない日本ゲーム業界(下の1) (2009-02-02 18:47)


この記事へのコメント
なるほど、女子を水商売漬けに引き込む手段は、贅沢を覚えさせる事。

日本発祥の名作ハードエログロアニメ中毒外人生産は済んだと。
種付けを終え、これからは安い萌えエロで、収穫期に入るワケデすねっ!
違うか…
Posted by マコト at 2009年02月01日 01:07
それはどうかわかりませんが、『ミラーズ』というホラー洋画の中で、
すごく緊迫したシーンのバックになぜか『ネギま』や『ツバサ』のポスターが貼ってあって
新年早々別の意味で怖い思いをしました。
Posted by 白川嘘一郎白川嘘一郎 at 2009年02月01日 01:26
『九龍』もそうでしたが、特に『アーカム・レポート』は、行く先々のクライアントで「何々風って例えられないから売りにくいなァ」とか「もっと大衆受けする感じがいい」とか散々いわれましたね。
Posted by 今井秋芳今井秋芳 at 2009年02月01日 01:40
ネガティブな羊水に使っていれば、悲劇の主人公を演じていられるわけでマスコミが叩くモノにのっかていれば、他力本願で自分の非力を見ないですみますね。
輸入や不景気ブームの影で大儲けしているやからは、皆口をつぐんで不景気の歌をハミングしてそうです。
Posted by Ultra-KUltra-K at 2009年02月01日 03:14
>今井監督
まぁ、クトゥルフ神話と聞いて「それはいいですね! ぜひ売りましょう!」とか
二つ返事で食いついてくるクライアントもそれはそれで危険な感じがしますが。

最近のユーザーは目も耳も肥えているので「あの作品とどこが違うのか」が決め手になると思うんですけど、どうもそのへんがズレてるんですよねぇ。

>Ultra-kさん
トヨタや日立の赤字決算も、突然すぎて何だか胡散臭いですね。
家電や自動車なんかは本当にヤバイのかもしれませんが。

マスコミは、広告収入が激減していよいよ自分の首が絞まってきているはずなんですが、なぜ消費を煽ろうとしないのでしょうか。
あそこだけは何を考えてるのか理解に苦しみます。
Posted by 白川嘘一郎白川嘘一郎 at 2009年02月01日 03:59
一枚目のウサギで諦めました。笑
やばくないゲーム業界が理解できました。
Posted by at 2009年02月02日 15:18
諦めたのに理解できたんですか?(笑)
Posted by 白川嘘一郎白川嘘一郎 at 2009年02月02日 18:59
実は最後まで読んでなかったり笑
Posted by 煌 at 2009年02月02日 19:26
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。