れとろげ。

ファンタジー風創作小説『ようこそ麒麟亭へ』

2009年01月08日

「いくら吹き飛ばされても、僕らはまた花を植えるよ」

ちょうどこのブログを開設して色々イジってたころ、
サーチエンジンへの引っかかり具合を調べていたら、
ゲームサイド誌上でもおなじみの酒缶氏のブログのコメント欄が引っかかったんですよ。


あの頃のバカゲー本、クソゲー本は
ゲームの面白さよりも書いている人が自分の文に酔って
面白おかしく書いているところに違和感を感じてました。


実際に遊ぶと文章とはちょっと違うことが多々あったんですよ。




まぁ、内容からして直接私のことを指して言っているわけではないみたいですし、
そのときは「おぉ、図ったようなタイミングだな」ぐらいとしか思っていなかったんですが、
今号の『スペランカー』の記事でも酒缶氏は似たようなことを書かれていました。



90年代後半のクソゲー、バカゲーブームは、日の目を見なかったゲームを世の中に紹介した功の部分がある一方、著者の思い上がりやその場が面白くなればいい的な紹介文のせいで一部のゲームに間違った印象を持たせてしまったという罪の部分があります。



事実この指摘にはうなずける面もあります。

埋蔵資源が限られた中で“魔女狩り”のごとく槍玉に挙げるゲームを求めた結果、
ブームが衰退していったのは確かです。

また、インターネットという環境の中では、
ゲームに限らず、歪められた情報が独り歩きしがちだという
いわゆるメディア・リテラシーの問題にもよく頭を痛めています。


しかしながら本誌上で罪だの思い上がりだのまで書かれてしまっては、
現在、編集部から『バカゲー専科』のコーナーを任せていただいている身として
何も言わないというのもどうかという気がするので、
この場を使って少し書かせていただきたいと思います。
(“バカゲーの罪を背負った男”なんてのも個人的にはイカしてるのでOKですが)


酒缶氏は、ゲームの内容を極力ありのまま客観的に伝えることだけが正しいと思っておられるかのようにも読み取れますが、
私は、そんなことは最初から不可能だと思っています。
他のジャーナリズムとは異なり、エンターテイメント作品のレビューにおいては、
筆者の主観を一切入れずに語ることなどナンセンスですので。
受け手が自分の主観で楽しむものですからね。
いろんな視点からのレビューが揃っていることがいちばん望ましい。


ちなみに前号のゲームコレクター対談において氏は
「知らない人にゲームの面白さを伝えるのに、実際にソフトを見せるのがいちばん早いというのがコレクションの意義のひとつ」
というようなことを語っておられました。

このへん、私の考えとは何から何まで真逆で、実に面白い対比ですね。

先日のエントリで書いたように、私のレビューは
「遊んでいない人に文章で面白さを伝える」ためのものですから。

私はもちろんゲームも好きですが、それに限らずツッコミどころのある面白いものは何でも好きです。
そして何よりも物を書くことが大好きです。

“現実”をトリミングしたりディフォルメしたり修飾したりすることで
伝えたい本質をより効果的に浮き彫りにする――
それが物書きの仕事だと思っています。

他人に何かを伝えたいと思ったとき、現物を差し出して済むのであれば、
物書きのみならずクリエイターという職業は世の中に必要ありません。

そもそも現実のテーブルゲームや“追いかけっこ”などを模すことから始まったビデオゲーム自体が誕生していません。



ついでに言わせてもらえば、「『スペランカー』がやたら死にやすいゲームである」という概念は
べつに一部のクソゲーレビュアーによって広められたわけではなく、
当時のファミコン少年の間で自然発生した共通認識だったと思うのですが、いかがでしょうか。

酒缶氏のスペランカーレビューには、「その死にやすさを乗り越えた先に本当の面白さがある」という内容が具体的に書かれておりまして、たいへん興味深く読ませていただきましたが、

100人いるプレイヤーのうち1人が、難度や面倒臭さを乗り越えて楽しみに辿り着けたとしても
残りの99人が途中で投げ出していたとしたら、それもまた客観的な評価とは言えず、
単なる100人に1人の主観でしかないでしょう。


それが悪いと言いたいのではないのです。
まさにそういった、大手メディアではスルーされるような「100人に1人の楽しみ」をピックアップし、
残りの99人に伝えようとする雑誌が『ゲームサイド』であると思うのです。

私は、それを罪や思い上がりであるとは、全く思いません。

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この記事へのコメント
アナウンサーが主観をいれてしゃべるなって叩かれてた久米宏を思い出しました。
ただありのままを伝えるだけならNHKのニュースがあればいい。
ニュース番組は内容は同じでもオヅラか鳥越俊太郎かみのもんたかでぜんぜん変わってしまう。
ちなみに鳥越俊太郎が好きです。
Posted by デブ子 at 2009年01月10日 21:22
NHKも実はニュースの取捨選択とかの時点で偏ってたりするけどね。
俺なんかにマスコミや政治のことを気にかけさせず
ゲームに専念できるような世の中にしてほしいものです。
Posted by 白川嘘一郎白川嘘一郎 at 2009年01月11日 00:30
はじめまして。
放置していたブログにトラバがあったので来てみました。


>「知らない人にゲームの面白さを伝えるのに、実際にソフトを見せるのがいちばん早いというのがコレクションの意義のひとつ」

これはライターとしての立場で書いているのではなく、
目の前にいる友人などにゲームの面白さを伝えるのに
どんな言葉で伝えることよりも、実際にプレイさせてみた方が早い
というような意味合いで言ったコメントだと思います。

ライターとして、「実際にソフトを見せる」ことはできないので
文章で伝えるのは当然のことだと思います。


>当時のファミコン少年の間で自然発生した共通認識だったと思うのですが、いかがでしょうか。

ボクの周辺では特にそのような共通認識はありませんでした。
あの頃、ボクの周辺で共通認識で難しいといわれていたのは
『オバケのQ太郎 ワンワンパニック』でした。
Posted by 酒缶 at 2009年01月11日 20:08
>酒缶さま
わざわざお越しいただいてありがとうございます。
このエントリを読んでいただけるとわかるかと思いますが、
私、毎号酒缶さんの記事も細かいところまで読ませていただいております。

私の旧ブログの話題を受けて、あのようなコメントを返されたわけですけれども、
率直にお伺いしますが、
私の記事の中で何か「違和感」を感じた部分がありましたでしょうか?

私は「小公子セディ」も「伯爵令嬢誘拐事件」もSFCやPS以降の各作品もたいがい
エンディングまでやりこんだ上でレビューを書いていましたし、
修飾はあっても脚色はなく、それほど本質を外してはいないと自負しておりますので。
もしあれば、今後の参考のためにお教えいただきたいです。


レトロゲームの難易度や技術レベルを、現在の価値基準でレビューするというのは、
難しいですね。
そのあたりについて、ライター対談みたいな企画も面白いかもしれませんね(笑)
Posted by 白川嘘一郎白川嘘一郎 at 2009年01月11日 23:41
>白川嘘一郎さん

>私の旧ブログの話題を受けて

多分、勘違いされているような気が……
白川さんの旧ブログの存在を知らないので
何のことを受けての話かわかりません。

ボクの放置されているブログで書いたコメントの元となっている本は
『仰天B級ゲームの逆襲』です。
あの時期、テレビ制作関連の方から連絡を受ける機会が多く、
過去の本をいろいろ見ていた中でこの本が一番ひどく感じました。
『クソゲー白書』みたいな論外な本もありますが。

『美食倶楽部バカゲー専科』も3冊とも持っていますが
特に悪いとは思っていません。
ただ、ライターによりクオリティーにばらつきがあり、
気になるページがあったようには思います。
今すぐには思い出せませんけど……。

「小公子セディ」については、あのブームの中でも
特にインパクトがあり、いい紹介記事だったと思います。

「伯爵令嬢誘拐事件」やほかの作品のレビューについては
覚えてないので、コメントできませんが
デスティニーで紹介されていた『大奥記』については
そこまで痛々しいゲームなら、そのまま闇に葬ってあげればいいのに
という感想でした。


レトロゲームに限らず、ゲームの難易度や技術レベルは
個人差があるので難しい問題ですよね。
ボクの場合、FPSのゲームを上手にこなしている人を見ると
「なんでこんな難しいゲームで遊べるの?」
などと言ってしまいますが、今の人に『スペランカー』を遊ばせると
同じことを言われてしまうかもしれませんね。


>そのあたりについて、ライター対談みたいな企画も面白いかもしれませんね(笑)

ぜひぜひ、それは編集長に提案しましょう!!
編集長! この文章を読んでいたらよろしくです!!
Posted by 酒缶 at 2009年01月12日 00:35
>白川嘘一郎さん

もう一度、自分のブログのコメントを見て
白川さんが書いていることの意味がわかりました。

先にコメントされた方の方に
白川さんのサイトのことが書いてあったんですね。

ボクのコメントは、そのサイトに対するコメントではありません。
あの頃のバカゲー本、クソゲー本全体に対する評価です。
Posted by 酒缶 at 2009年01月12日 00:39
どうも、説明不足で申し訳ありませんでした。

文脈からしてそうdろうとは思っていたのですが……。
何でも安易にクソゲー呼ばわりする風潮へのアンチテーゼ、という点で
バカゲー専科のコンセプトは酒缶さんの意見と共通していると思いますし。

『B級~』は確かにひどかったですね。私も当時、あまりのひどさにサイトで何か書いた記憶があります。
Posted by 白川嘘一郎白川嘘一郎 at 2009年01月13日 18:00
 
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