れとろげ。

ファンタジー風創作小説『ようこそ麒麟亭へ』

2008年11月14日

自由の翼





老舗の映画雑誌、『ロードショー』が休刊した。
若手ハリウッドスターの不在が大きな原因、と言っているが
今年に入ってからの原油・原料高が直接的なトドメを刺したのではないかと思われる。

実は、紙とインクは原油の影響をモロに受ける。
70年代のオイルショックが、日本の漫画業界を、
雑誌の広告収入主体から単行本による直接収益主体にシフトさせたという話もある。
原油の高騰が出版業界に与えるダメージは想像以上にデカイのだ。
特に大判でカラーのグラビアを多用するような雑誌ほどきつい。LEVEL1とかな。

そんなわけで、ということでもないが昔ながらの白黒ページで復活した「バカゲー専科」
今回『大奥記』を取り上げるにあたり、まずメーカーに直接コンタクトを取ってみた。
しかし返ってきたのは、

「もうあの作品のことは忘れたいんです、そっとしておいて下さい(意訳)」

という、推理ドラマに出てくる被害者遺族のようなコメントであった。
折しも『世界はあたしでまわってる』がそれなりに好評だったため、これからその路線で会社を回したいらしく、
過去の作品に足を引っ張られたくないというのが本音のようだ。


プログラムを請け負ったダフトも


「大奥記」開発元誤表記のお問い合わせについて
関係各社、ユーザ様から多数のお問い合わせをいただきました。
株式会社グローバル・A・エンタテインメント様より発売
「大奥記」開発元の表記について誤解があったことをお詫び申し上げます。
「大奥記」の開発で弊社はプログラムのみ請負担当させていただきました。
プログラム以外の開発は弊社は行っておりません。


このような文章を会社サイトに載せてみたり(その後TOPページそのものを削除)
まさに事件のこととなると口を濁す容疑者たちの話を聞いて回る推理ADVの主人公の気分。

まぁ実際、私立探偵よろしく裏のルートを駆使して開発某氏とのコンタクトに成功し
事件の全容はほぼ掴んでいたりするのだが……。

結局のところ、推理ドラマに例えるなら、
金に困っていたのが動機だとか、重要な証人が自殺していたとか、
当初、主犯格と思われていた人物は、組織をかばって罪を着せられていただけとか、
事件に至るストーリー自体は非常にありきたりで、よくある話でしかない。

開き直ってそれを自らネタにしたり、
メディアに載せたりすることが許されなくなったというのが、
今のゲーム業界の問題ではないかと思う。
いやまぁ開き直って駄目なゲームばかり量産されても困るのだが、
失敗にただフタをして無かったことにする日本人気質と言うか。
後味の悪い事件だったねと、ワトソン役がいれば呟いているところだろう。



ゲームメディアにしたって、ただでさえ出版不況な上に
情報の速度と密度においてインターネットに太刀打ちできないため、
メーカーと友好関係を築いて発売前の資料を回してもらったり
クリエイターのインタビューなどの付加価値を与えるぐらいしか
現実的な生き残りの道がないのはわかる。
わかるが、しかしそれだけでいいのだろうか。否。


答はすぐには見つからない。
画面端の安全地帯を逃げ回りながら、しばらく模索してみたいと思う。




(おまけ)
リンクをこっそり一件増やしてみました。

社会と言うものをほとんどスルーして生きてきた私も
さすがに最近は、年齢的にも立場的にもあまり無関心と言うわけにはいかなくなってきたので
それなりに興味を持つようにしてきましたが、
あまりブログでネタにしないのは、この方にたいてい先に書かれているからです。


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この記事へのコメント
後半の文章にしぬほど同意。
しかし、ペーペーのプープーな身では、世の風に逆らうと
明日から路頭で段ボールなんじゃよ。
ただでさえ、段ボールスレスレの人生なのに。
Posted by んまさ(仮) at 2008年11月15日 05:39
導入部に食いついて悪い。
9月末で連載先が休刊になって、おしらせみたいのが届いたわけさ。
理由は「原油高」。はっきり書いてあった。びっくりした。

新聞に土曜だけとか小さい冊子が付くでしょ、あれなので、
販売価格というものがないのね。
モロに「紙とインク」を付録につけることができなくなった、と。

おまけに「担当者が定年退職で交代」という、
史上初の事件に出くわしたりもしています。
出版社じゃありえねえ。
Posted by JOAN at 2008年11月15日 17:17
>んまささん
良いではないですか。ダンボールの中で携帯ゲーム機をクリアする「ホームレスゲーマー」として本が一冊書けますよ。解散!

>JOANさん
そっちは単純に新聞の部数減少も響いてそうですね。
玩具なんかは中身が中国製でもパッケージは日本で印刷したりしてるんですが、
海外の印刷会社を使おうとしても、日本のクオリティには遠く及ばないらしいですね。
Posted by 白川嘘一郎白川嘘一郎 at 2008年11月16日 09:15
バカゲー専科復活おめでとうございます、団長。
大奥記欲しくなってしまいましたよ。定価だとちょっと尻込みしてしまいますが。
これから毎号団長のバカゲーレビューが読めるとなると嬉しいです。

開き直ってネタにしてしまったゲームメーカーと言うと、エコールですね。
最近だとデスクルーズ2008という、友ヶ島に行って生コンバット越前の声を聞きながらフルーツバーベキューを食すイベントを開催したりして。
ちなみにお土産でデスクリムゾン小説などと言うものも配られたみたい。
エコールHPで今14章まで読めますが、半分冗談で半分本当ぽいのがまさにエコールらしいです。
やっぱり娯楽を提供するメーカーはこうでなくっちゃね。
Posted by テンショ at 2008年11月17日 03:58
そう、まさにそうなんですよ。
「定価に見合ってない」とユーザーに判断される作品を送り出してしまった以上、
せめてそういった形でのアフターサービスみたいなものが、もっとあってもいいんじゃないかと。
隠蔽するのは簡単ですけど、誰にとってもマイナスにしかならないんじゃないかなぁ。

ご多分に漏れず、記事で読む分にはいいですが実際にプレイすると多大な忍耐力を必要としますので注意。
Posted by 白川嘘一郎白川嘘一郎 at 2008年11月17日 14:34
 
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